触れないで、杏里先輩!
「なんか、北川君って格好良いよね」

「うん……私も思う」

私は亜季ちゃんに同調し頷いた。




それから北川君のお陰で庄司君は大人しくなり、平和に電車に三十分程乗るとプラネタリウムがある科学館の最寄り駅に到着した。

プラネタリウムは勿論私は席の端に座り、隣には亜季ちゃん。
いつ以来かも覚えていないプラネタリウムだが、意外に楽しめた。というか、楽しかった。
七月には七夕だから七夕の星についての上映会だった。
大きくなった方が星座のお話って面白い。
四十五分程の上映会はあっという間だった。




「皆さん、家に帰るまでが校外学習です。真っ直ぐ家に帰りましょう」

担任が庄司君を見ながら言っていたが、きっと本人は分かっていない。
担任を見ずに既にお喋りしていたから。
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