触れないで、杏里先輩！
怖い。
一人で帰るのは本当に怖い。

きっと怖い、不安だといえば、亜季ちゃんは私の最寄駅までついてきてくれるかもしれない。

「お昼まだ食べてないし、お腹空いてきたよね？私も早く帰ってお昼食べたいから早く帰ろう」

だが亜季ちゃんにはそう言って別れた。

亜季ちゃんに頼って甘えているわけにはいかない。
そのために今、杏里先輩に手伝ってもらって体質を改善しようとしているんだから。


自分が乗る電車のホームへと降りる。
すると反対側のホームに先に降りていた亜季ちゃんが私に手を振った。
私も手を振り返すと亜季ちゃん側の電車がやってきた。
電車に乗り込んでも亜季ちゃんは見えなくなるまで手を振ってくれた。
亜季ちゃんって行動の一つ一つが可愛いと思う。
そこに私側の電車もやってきた。
平日のお昼だから電車内の乗客は少ない。
だけど私の周りには沢山の生徒。
一学年といえどかなり居る。
満員電車とまではいかないが、隣の人と触れてしまう距離になるかもしれない。
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