愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
どうせ知っているんでしょうと思いながら、住所を兄に教えた。
「ところでお兄さま、今更だけど綾星さんを私の相手に選んだ理由はなに?」
兄は軽く鼻で笑う。
「言っただろう? 真っ直ぐな男だって。それに馬鹿がつくほど正直だからな、あいつは」
正直ね。
綾星さんは確かに正直だとは思う。でもどうなんだろう。
正直なら何でも許されるの?
兄は離婚するなら止めないが、というスタンス。
積極的に別れろとは言わないし、どちらかというと私に許してやれと暗に言っている感じ。
綾星さんと五月心羽とは何もなかったからだろうか。
『何かあれば、このしたたかな女は必ず証拠を残す。それを出さないのは、実際は何もないんだろう』
兄はそう言った。
でも、離婚したい理由は彼女の存在だけじゃない。
彼が私に対していかに無関心だったかを具体的に説明すれば、兄の考えも違うとは思うけれど、言えなかった。
「それにあれで、なかなかの腕だからな」
「なんの腕ですか?」
「剣道では全国大会までいってるんだぞ」
え……。
私に黙って捻られていたのに。
剣道か。
私は彼を知らないから。
夫婦なのに私も彼も、お互いを何も知らない。
「ところでお兄さま、今更だけど綾星さんを私の相手に選んだ理由はなに?」
兄は軽く鼻で笑う。
「言っただろう? 真っ直ぐな男だって。それに馬鹿がつくほど正直だからな、あいつは」
正直ね。
綾星さんは確かに正直だとは思う。でもどうなんだろう。
正直なら何でも許されるの?
兄は離婚するなら止めないが、というスタンス。
積極的に別れろとは言わないし、どちらかというと私に許してやれと暗に言っている感じ。
綾星さんと五月心羽とは何もなかったからだろうか。
『何かあれば、このしたたかな女は必ず証拠を残す。それを出さないのは、実際は何もないんだろう』
兄はそう言った。
でも、離婚したい理由は彼女の存在だけじゃない。
彼が私に対していかに無関心だったかを具体的に説明すれば、兄の考えも違うとは思うけれど、言えなかった。
「それにあれで、なかなかの腕だからな」
「なんの腕ですか?」
「剣道では全国大会までいってるんだぞ」
え……。
私に黙って捻られていたのに。
剣道か。
私は彼を知らないから。
夫婦なのに私も彼も、お互いを何も知らない。