一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
寮に帰ると、検査薬の説明書をよく読んで早速トイレで確認する。
一分後、ピンクの線がはっきり表示された。
検査スティックの表示を見て血の気がサーッと引く。
結果は陽性。
「私……妊娠してるの?」
怜の赤ちゃんがお腹にいるかもしれない。
心臓が止まりそうなほどショックを受けた。
来月福井に戻って松本と結婚するのに、妊娠だなんて……。
頭の中がごちゃごちゃ。
どうすればいい?
まだ妊娠していると決まった訳ではないけれど、可能性が高い。
結婚を断る?
いや、無理だ。
父の会社は融資を受けているのだ。反故にはできない。
かといって怜の子を堕したくはない。
でも、松本が他の子を宿した私を受け入れることはないだろう。
このことを知ったら”堕ろせ"と命令されるに決まっている。
じっくり悩む時間もなければ、相談できる相手もいない。
トイレを出て部屋のベッドに力なく腰を下ろす。
引っ越しの準備をしなければいけないのに身体が動かない。
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