一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
でも、これだけだと彼女に怪しまれるし、怒られるから、お昼を一緒に食べないことにしたのだ。
怜や渡辺くんにバレたらマズい。
渡辺くんは前にお姉さんが悪阻の話をしていたし、ピンとくるかもしれない。
彼ってボーッとしてるように見えて鋭いから。
「信用ないな。ちゃんと食べるよ」
にっこり微笑むとまた仕事を続けた。
食欲もないけど、今日全て終わらせなければ。
幸い引き継ぎは終わっているから、四月以降の心配はしていない。
亜希ちゃんならうまくやってくれる。
婦人科の病院で先生に『御懐妊ですよ』と告げられた時、雷に打たれるくらいのショックを受けた。
だけど、今は妊娠が判明する前よりも心がスッキリしていて、前向きな気持ちになっている。
私のお腹の子は神様がくれた宝物だ。
赤ちゃんが欲しくても授からない人だっている。
妊娠って奇跡だと思う。
赤ちゃんが私を選んでくれたのなら、全力で守るべきだ。
そのためには強くならなきゃいけない。


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