一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
雪乃の質問に答えつつも、そのままこの場を去らずに名刺を渡して彼女の叔母さんにキチンと挨拶した。
「雪乃がお世話になってます。叔母の近藤恵子です。美容院をやってます」
雪乃の叔母さんも名刺を出して俺に手渡す。
【ヘアサロン『モカ』代表 近藤恵子】
美容院のオーナーか。だから、髪も赤でお洒落なんだな。
「美容院を経営されているなんて凄いですね」
「いえ、人を変身させるのが夢だったんですよ。昔は雪乃の髪も私がカットしていて」
叔母さんの話を聞いてその光景が頭に浮かんだ。
雪乃の髪をカットか。
叔母さんにやってもらうなんて素敵な話だな。
ここで雪乃の叔母さんに会ったのはラッキーだ。
雪乃の話を聞きたい。
だが、その彼女は俺が叔母さんと話すのをよく思っていないようだった。
「沖田くん、時間大丈夫? 恵子さん、私、もう戻らないと、駅までわかるよね?」
『沖田くん』……か。
俺との関係を叔母さんに知られたくないのだろう。
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