一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「えー、なんと言ったかな。あっ、そうだ。結納の品を納めさせていただきます」
内容から言ってこの声は相手の父親のものだろう。
すぐに違う男性の声が聞こえた。
「ありがとうございます。お受けいたします」
恐らく雪乃の父親の声。
そろそろ結納の会場へ行った方がいいか。
ベッドから立ち上がったその時、雪乃の声がした。
「申し訳ございません。このお話、お受けできません!」
その声がして数十秒は誰の声も聞こえなかった。
多分、雪乃の爆弾発言にみんな驚いているのだろう。
俺だってビックリした。
まさか彼女がこんな堂々と婚約を破断にする言葉を口にするなんて……。
いや、違う。
俺が知っている彼女は芯が通っていて強い。
ずっと悩みに悩んで彼女が決めた結論。
俺がなんとかして救い出すつもりでいたのだが、ホント凄い女性だ。
フッと笑みを浮かべて部屋を出ると彼女の父親の怒鳴り声が聞こえた。
「お、お前、なにを言っているんだ! ふざけるな!」
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