一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「怜」
初めて彼を下の名前で呼ぶ。
まるで夢を見ているみたい。
好きな人に抱かれることがこんなに幸せなんて初めて知った。
心も身体もなんだかあったかい。
ずっとこのままでいたい。
ずっと……。
でも、それは叶わぬ夢。
怜に求められるまま身体を重ねて、彼以外の全てのことを忘れた。
途切れ途切れになる意識。
「……雪乃?」
彼に名前を呼ばれて「うん」と返事をするも、もう目が開かなかった。
「怜……ありがと」
一夜だけでもあなたに抱かれてよかった。
彼の胸にギュッと抱きついてそう呟くと、そのまま意識を手放した。




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