一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
3、同期で、部下でもある彼女
「鍋っていいね。身体もあったかくなるけど心もあったかくなる感じ」
すっかりくつろいだ様子で微笑む雪乃の話に小さく頷いた。
「ああ。俺も鍋好きだな。うちにこたつ置きたくなる。実家にこたつないから」
今日は朝から心が休まらない日だった。
昨日の夜、彼女をうちに連れ帰って一夜を共にしたのだが、今朝俺がシャワーを浴びている間に彼女はいなくなっていた。
雪乃は俺の同期で、美人で優しくうちの男性社員の憧れの存在。
だが、彼女に恋人がいるという話は聞いたことがない。
週末合コンに出かけるような女性社員とも違うし、どこか聖女的なイメージだった。
そんな雪乃の誘いに乗り、彼女を抱いた。
雪乃とは付き合いが長く、気心が知れていたが、お互い男女の関係になることはそれまでなかった。
入社してから彼女とはずっと部が一緒で、仕事ではいつも俺の意図をわかってさり気なくサポートしてくれる。
雪乃は俺にとって戦友といってもいい存在だった。
その関係を壊したくなくて女として見なかったような気がする。

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