一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
ベッドに入る私の額に彼が手を当てる。
「凄く熱い」
眉根を寄せながらそう呟くと、彼は旅館の人を呼んだ。
宿の人が体温計を持ってきてくれて測ってみると、三十九度だった。
「体温計が壊れてるのかも」
自分でもその数値に驚く。
あまり心配をかけたくなくてハハッと笑うが、怜に怒られた。
「手で触っても熱かったから壊れていない。辛いのに笑うな」
「大丈夫だよ。ちょっと寝てれば治る」
私の主張をスルーして彼は宿の人に声をかけた。
「すみません。この近くに病院ありますか?」
「はい。数キロ先に診療所があります」
宿の人がそう答えると、服に着替えて診療所へ。
正直言って着替えも辛く、ベッドで横になっていたかった。
でも、宿の人が診療所まで送迎してくれて、おまけに連絡もしてくれたから、夜間なのに待ち時間なしで診てもらえた。
医師からいくつか質問を受け、念のためインフルエンザの検査もされた。
診断結果は風邪。
この時期流行っているインフルエンザでなくてよかった。
インフルエンザだったら、怜にも移していたかもしれない。
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