一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「違う。最終面接の時だよ」
クスッと笑って教えるが、彼女は思い出せないのか俺の目をじっと見つめた。
「最終面接?」
「覚えてない?」
再度確認しても雪乃は思い出さなかった。
「……全然」
首を左右に振る彼女にニコッと微笑む。
「じゃあ、最後のヒント。エレベーター」
「エレベーター……ひょっとして……」
俺の言葉で思い出したのか、雪乃は大きく目を見開いた。
「思い出した?」
笑みを浮かべながら問うと、彼女はあの時のことを俺に話した。
「うん。……急に停電でエレベーターが真っ暗になって停止して……怖くて壁に手をつこうとしたら、誰かの腕を掴んじゃって……。あれって怜だったの?」
驚いた顔で尋ねる彼女の目を見て頷く。
「そう。美人に抱きつかれて役得だった」
最終面接会場に向かおうとエレベーターに乗ったら突然停電になって、誰かが俺の腕を掴んで抱きついてきた。
体型から女性であることはわかっていて、彼女の肩にそっと手を添えた。

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