一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「渡辺、悩みすぎだ。時間ないんだからすぐに決めろよ」
「でも、どれも美味しそうでさあ」
メニューを見て悩ましげな顔をする渡辺くんに亜希ちゃんがニコニコ顔で言った。
「それなら私が選んであげますよ。やっぱり男性なので肉がいいですよね。牛すじのミートソースにしましょう」
「ははは、沢口さんて悩まないよね」
亜希ちゃんの選択を聞いて渡辺くんは苦笑いする。
「渡辺は沢口さんの爪の垢を煎じて飲ませてもらうといいかもな」
怜はそう提案すると、店員を呼んでパスタを注文した。
「沖田さんは四月から部長ですね。ボーナスアップ期待してるのでよろしくお願いします。沖田大明神さま」
亜希ちゃんが沖田くんに向かって手を合わせる。
そう。三月の初めに発表された示達で怜は部長に昇進する。ちなみに竹下部長は常務に昇進。
「なに? その沖田大明神って」
怜は亜希ちゃんの言葉に首を傾げ、説明を求めた。
「実はバレンタインに沖田くんのデスクにチョコがいっぱい置かれているのを見てお供え物みたいって話をしてて。それで沖田大明神と言って拝んでたの」


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