昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

そのあとわたしたちは、はじめてスマホを向き合わせて、連絡先を交換した。


「今更だね」と雨夜くんが言った。

「ほんと、今更だよね」とわたしは笑った。


雨夜くんの連絡先という、大切なものをスマホ内に増やしての帰宅。

お母さんに「ただいま」を言ってから自分の部屋に入り、ひとりきりの空間を確保したところで……わたしはもう一度、スマホを取り出した。


スマホを両手で握りしめて、深呼吸する。

目をつむる。そしてまぶたの奥に、記憶を呼び起こす。

今までずっと、封じ込めることばかり考えていた美和との思い出。それを、自分の意思で探って、取り出していく。


そうするうちに、最初に浮かんできた思い出。

それは、美和がわたしに誕生日プレゼントをくれた、十月のある日のことだった。


わたしの誕生日は、四月に終わっている。

でもわたしが、美和の誕生日である九月にプレゼントを渡したものだから、もらうだけじゃ悪い!と、わざわざ買ってきてくれたんだ。
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