昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
六月十五日。
それは忘れもしない……わたしが奈落の底に突き落とされた日だ。
中学二年生に上がってしばらく経った、その日。
『おはよー!』
笑顔で教室に入ると、室内がぴたりと静かになった。
違和感を覚えて、近くにいた女の子にもう一度『おはよう』を言った。けれどなぜか、無視されてしまって。
『え……えっ、どうしたの?』
『うわ、身に覚えないんだ?やっばー』
混乱するわたしに、軽蔑するような声が飛んできた。
このクラスで、一番目立つグループからの声だった。 見た目が派手で、全員彼氏がいるような子たち。
でも苦手意識があったわけじゃなくて。わたしはキラキラした彼女たちに憧れていたし、普通に話をする仲だった。
『身に覚えって……え、どういうこと……?』
『梨奈のこと』
『えっ』
『影で悪口言ってたらしいじゃん?たいして可愛くないくせに調子のってるとか、男好きとか、色々さぁ』
梨奈――鳥屋さんは、一番目立つグループの中でも最も権力を持っている女の子で。
鳥屋さんが白といえば白、黒といえば黒という雰囲気が、前からこのクラスにはあった。