昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

ゆるやかに肩を押してもらって、ベンチに座る。図書館のロビーにあった長椅子とはちがう、硬い感触がおしりに当たる。

雨夜くんは、十分に間をあけて、わたしの横に腰を下ろした。


「……大丈夫?」


優しい声に、こくこくと首を縦に振る。

でも声を出せない時点で、明らかに大丈夫じゃないのは丸わかりで。

雨夜くんは少しためらってから、真剣な声でわたしにたずねた。


「さっきの子……もしかして、中学の?」

「……っ」


次は横に、首を振る。

違う。違うんだ。全然知らない、赤の他人。
違うからこそ……情けなくて。


「あ、の……っ」


声を絞り出したとき。こらえていたのに、結局涙がこぼれてしまった。


「大丈夫だよ」


すかさず雨夜くんが、そう言ってくれる。

だからもう、我慢するのはやめて。あふれるままに涙をボタボタ落としながら、わたしはゆっくり話し出した。


「わたし……ね」

「うん」

「いじめられる、前……すごく、仲の良い子がいたの。し、親友って、お互いに言ってたくらいだし、学校で、いつも、一緒に過ごして……」

「……うん」

「でも……っ」
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