愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
少し考えながら、文字を打ち込む。


【★シキ★:もしかしてその子も最近会社辞めたりした?】
【Mori:つい最近辞めた。…うそだろ?】


同姓同名で会社辞めた時期まで一緒。
これで別人って言うのは難しい。

限りなく同一人物だろう。


「…面白いことになったね。はは」


乾いた笑いがでる。
それぐらい僕自身も混乱していた。


【★シキ★:どうやら本当に同一人物みたいだね…。これは驚いたよ】
【Mori:全然驚いてないだろ!】

「これでも驚いてるよ」

【★シキ★:こんなことで嘘つかないよ。まさか同一人物だとは思わなかった】
【Mori:どういうことだ?】
【★シキ★:そっちが煽ってきたから煽り返しただけ。たまたま名前が一緒だったってだけでね】
【Mori:最初に煽った俺が悪いけど…、まじか…】


自分より慌てる人を見ると冷静になれるっていうけど本当なんだね。
おかげで少し落ち着いたよ。

・・・落ち着いたからこそ、気になったことがある。


【★シキ★:それよりさ、キスだけはってどういうこと?】


そう、最初にMoriくんが言っていたキスの件。
これが本当なら…、とっても面白い武器になる。
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