俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 三階まで登るエレベーターの中、密室空間がいやに妖艶で濃厚な空気に感じ、息をするのも苦しい。けれどお互い無言で手をしっかりと握り合う。手と手の間の汗がじっとりとしても、決して離さずに。
 エレベーターに乗っていたのはほんの数分だったのに、物凄く長く感じた。チンッと三階に着いた瞬間、扉が開き隆ちゃんに手を引かれながら部屋までの真っ直ぐな通路を足速に歩く。
 乱雑に玄関を開け、引っ張られるように玄関に入る。それはもう猛獣に捕らわれたかのような勢いで。

「隆ちゃんッ……んんぅ……はっ……っん」

 バタンと玄関ドアが閉まったと同時に私の背はドアに預けられ押し潰されそうなほどに激しいキス。たまにガチッと歯が当たるくらいに激しく口の中の全てを舐め尽くされお互いの唾液が口の横からツゥっと漏れる。流れた唾液を舌で掬われそのまま唇も丹念に舐められた。それが余りにも気持ちよくて身体の力が抜けそうになる。

「っつ……何なんだよアイツ。美桜にあんなに近づいて」

「っはぁ……りゅちゃん……お、怒ってるの?」

 返事はなく、荒い息遣いが静かな玄関に響く。

「隆ちゃん……あぁっ、ちょっと待ってッ!」

 左手でガシッと胸を掴まれ、器用に右指で私のブラウスのボタンを外していく。

「やっ、汗もかいてるし、ほら脚も雨でびちょびちょだからさっ……んぅっ」

 ボタンは外され露わになった肌にチクッと痛みが走る。くっきりと胸元に示された赤黒いキスマークが目立つ。

「美桜は俺のなんだから……誰にも触れさせない」

 私を見る目は熱く真っ直ぐで真剣な瞳。それが嬉しくて涙が出そうになる。
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