すべてが始まる夜に
昨日まではそんなこと全く思わなかったのに、幸せな気持ちを知った今、部長が自分と同じようなことを他の人にもしていたのかという妄想が頭をよぎり、嫉妬のような気持ちが芽生え始めた。
「ねぇ、悠くん、他の人にも……こんなことしてたの……?」
「こんなことは茉里しかしたことないよ」
「ほ、んと……?」
「ああ、旅行に来たのも、一緒に風呂に入ったのも、風呂でこんなことしてるのも、一緒に寝たのも、全部茉里しかしてないよ」
ほんとにあの綺麗な彼女とはこんなことをしてなかったのだろうか。
だって、福岡には温泉がたくさんあって、よく行ってたって言ってたし……。
「ほんとに……彼女とはこんなことしてないの?」
「茉里にしてるようなことは何もしてないよ。隠しても仕方がないから話すけど、今考えると彼女という名のセフレみたいなもんだったかな。茉里と初めて一緒に食事をした日に話したの覚えてないか? 俺は自分の中で家庭を持っても大丈夫だと納得できるまでは結婚したくなかったんだ。だから敢えて結婚を匂わすようなことは全て避けてた。家に呼ぶことも、一緒に寝ることも、一緒に風呂に入ったり、旅行に行くことも……。当然料理を作ってもらうとかしてもらったことないし、ただ外で食事をしてセックスするみたいな感じだったかな」
おそらく部長は私を安心させるためにそう言ってくれているんだろうけれど、部長の口から “セックスをしていた” という言葉を聞くとなんとも言えない嫌な気持ちに覆われてしまう。
過去に嫉妬しても仕方がないとわかっているのに胸が苦しい。
私は部長の方に振り向くと、そのままぎゅっと抱きついた。
「悠くん、もう誰にもこんなことしないで……。わがままだってわかってるけど、悠くんが他の人を触るのなんてやだ……」
「こんなこと誰にもしないし、誰も触らないよ。全部茉里だけだ。茉里も俺以外の男に絶対にこんなことさせるなよ。茉里に触っていいのは俺だけなんだから」
「絶対にしない。私は悠くんがいい」
「お前はほんとに……。そんなに心配しなくても、茉里とのことはちゃんと考えてるから」
部長は私の頬に触れると、そのまま優しく、深く唇を重ねた。
「ねぇ、悠くん、他の人にも……こんなことしてたの……?」
「こんなことは茉里しかしたことないよ」
「ほ、んと……?」
「ああ、旅行に来たのも、一緒に風呂に入ったのも、風呂でこんなことしてるのも、一緒に寝たのも、全部茉里しかしてないよ」
ほんとにあの綺麗な彼女とはこんなことをしてなかったのだろうか。
だって、福岡には温泉がたくさんあって、よく行ってたって言ってたし……。
「ほんとに……彼女とはこんなことしてないの?」
「茉里にしてるようなことは何もしてないよ。隠しても仕方がないから話すけど、今考えると彼女という名のセフレみたいなもんだったかな。茉里と初めて一緒に食事をした日に話したの覚えてないか? 俺は自分の中で家庭を持っても大丈夫だと納得できるまでは結婚したくなかったんだ。だから敢えて結婚を匂わすようなことは全て避けてた。家に呼ぶことも、一緒に寝ることも、一緒に風呂に入ったり、旅行に行くことも……。当然料理を作ってもらうとかしてもらったことないし、ただ外で食事をしてセックスするみたいな感じだったかな」
おそらく部長は私を安心させるためにそう言ってくれているんだろうけれど、部長の口から “セックスをしていた” という言葉を聞くとなんとも言えない嫌な気持ちに覆われてしまう。
過去に嫉妬しても仕方がないとわかっているのに胸が苦しい。
私は部長の方に振り向くと、そのままぎゅっと抱きついた。
「悠くん、もう誰にもこんなことしないで……。わがままだってわかってるけど、悠くんが他の人を触るのなんてやだ……」
「こんなこと誰にもしないし、誰も触らないよ。全部茉里だけだ。茉里も俺以外の男に絶対にこんなことさせるなよ。茉里に触っていいのは俺だけなんだから」
「絶対にしない。私は悠くんがいい」
「お前はほんとに……。そんなに心配しなくても、茉里とのことはちゃんと考えてるから」
部長は私の頬に触れると、そのまま優しく、深く唇を重ねた。