すべてが始まる夜に
「もう二度とあいつを使うことはないよ。それに今回は別の方法でPRする予定だしな」
「別の方法?」
「ああ、SNSと広告を使ってPRしてみようと思ってるんだ。水島さんの奥さんが広告代理店で働いていてな、そこの会社のメインは不動産広告らしいんだが、そのツテで色々紹介してもらったんだ」
「そうなんだ……。でも悠くんが勝手に決めて大丈夫なの? 上の人たちが反対するかもしれないよ」
「許可は社長に取ってあるから大丈夫だよ」
「えっ、社長? 直接社長とお話したの?」
驚いて目を見開くと、部長は少し言いづらそうな顔をして私を見た。
「あのな、ひとつ茉里に伝えてないことがあってな。うちの森本社長って俺の叔父さんなんだ」
「えっ……?」
「お袋の弟で、エムズコーポレーションは俺の祖父さんが作った会社なんだ。ちなみにエムズのエムは、森本のエムな。俺も松永だからエムだけど」
部長は、あははっ──と笑っているけれど、初めて聞く話にびっくりして驚いたまま言葉が出てこない。
エムズコーポレーションが、部長のお祖父さんが作った会社?
部長ってそんなにすごい人だったの?
叔父さんが社長ってことは、いずれ部長も役職に就くのだろうか。
「そんなにびっくりすることないだろ。まあ俺も自分の祖父さんが作った会社だし、できれば貢献したいと思っているけど、ここまで大きくなると身内だからと言って簡単に継げるような会社ではないしな」
「継ぐって、将来悠くんが社長になるの?」
「それはわからない。だけどできればそうなりたいとは思ってるよ。社長のとこには子供がいなくてな。身内は俺だけだから。俺には弟がいるんだけど、弟は親父と同じ教師になってるしな」
部長のお父さんが教師ということは知っていたけれど、お父さん以外のことは聞いてなかったし、全く知らなかった。
部長がエムズコーポレーションの身内の人だったなんて……。
うちと同じ普通の一般家庭の人だと思っていたのに、会社の将来を担う人と私が結婚なんか考えてもいいのだろうか。
「別の方法?」
「ああ、SNSと広告を使ってPRしてみようと思ってるんだ。水島さんの奥さんが広告代理店で働いていてな、そこの会社のメインは不動産広告らしいんだが、そのツテで色々紹介してもらったんだ」
「そうなんだ……。でも悠くんが勝手に決めて大丈夫なの? 上の人たちが反対するかもしれないよ」
「許可は社長に取ってあるから大丈夫だよ」
「えっ、社長? 直接社長とお話したの?」
驚いて目を見開くと、部長は少し言いづらそうな顔をして私を見た。
「あのな、ひとつ茉里に伝えてないことがあってな。うちの森本社長って俺の叔父さんなんだ」
「えっ……?」
「お袋の弟で、エムズコーポレーションは俺の祖父さんが作った会社なんだ。ちなみにエムズのエムは、森本のエムな。俺も松永だからエムだけど」
部長は、あははっ──と笑っているけれど、初めて聞く話にびっくりして驚いたまま言葉が出てこない。
エムズコーポレーションが、部長のお祖父さんが作った会社?
部長ってそんなにすごい人だったの?
叔父さんが社長ってことは、いずれ部長も役職に就くのだろうか。
「そんなにびっくりすることないだろ。まあ俺も自分の祖父さんが作った会社だし、できれば貢献したいと思っているけど、ここまで大きくなると身内だからと言って簡単に継げるような会社ではないしな」
「継ぐって、将来悠くんが社長になるの?」
「それはわからない。だけどできればそうなりたいとは思ってるよ。社長のとこには子供がいなくてな。身内は俺だけだから。俺には弟がいるんだけど、弟は親父と同じ教師になってるしな」
部長のお父さんが教師ということは知っていたけれど、お父さん以外のことは聞いてなかったし、全く知らなかった。
部長がエムズコーポレーションの身内の人だったなんて……。
うちと同じ普通の一般家庭の人だと思っていたのに、会社の将来を担う人と私が結婚なんか考えてもいいのだろうか。