暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
雨宮くんのお誕生会のはずが
〇 〇 〇
ここは、鞭光君の家のリビング。
「これって……僕の誕生会ってことで……
良いんだよね?」
今日の主役の雨宮くんが
上品王子並みの整った顔を、ゆがめている。
「息苦しいくらいの、険悪ムードなんだけど。
サプライズ的な演出だと思って、
僕は喜べばいい?」
まだピカピカなたこ焼き器に、吹きかけるように
雨宮君は、大きなため息を一つこぼした。
ごめんなさい、雨宮君。
このリビングで
鞭光君と望愛ちゃんのケンカが
始まっちゃったのは
間違いなく、私のせいです!