暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
というのも……
学校を出て、一言も話さずにこの家に来た
私と鞭光君。
すぐ後に、雨宮君と望愛ちゃんもやってきた。
望愛ちゃんと私だけで、たこ焼きの準備が始まり。
最初は、望愛ちゃんが毒はまりしている
アニメの話しに
私もワクワクが止まらなくて
2人で笑い合いながら、お喋りをしていたんだけど。
キャベツを切る望愛ちゃんが
『つぐみさんって
むち君とケンカでもしちゃいましたか?』
心配そうに、私を見上げたから
つい。
ついつい。
『私たちが付き合ってるって
鞭光君が、教室で暴露しちゃって……』
モヤモヤを、ボソッと零しちゃった。
そのせいで
『私、むち君のところに行ってきます!』
凛と、責任感を瞳に宿した望愛ちゃんが
リビングのソファでくつろぐ鞭光君に
文句を言いに行っちゃって。
リビングで
兄妹ケンカが勃発しちゃったんです。
(鞭光君と望愛ちゃんは
本物の兄妹ではないけれど……)