暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
それからは
鞭光君と廊下ですれ違っても
完全に無視されて
私も鞭光君の気配を感じたら、
目が合わないように
床を見つめるようにしている。
雨宮君と望愛ちゃんは
私に話しかけるタイミングを
いつも伺っているみたいだけど……
私は警戒して、先回りして。
2人が近づいてくる前に、逃げちゃうんだ。
鞭光君と別れた噂も、収まってきて
私の日常が
鞭光君に水をかけられた前のように、戻った頃
校庭を歩いていた私に
学年一の女子グループのリーダー格2人が
声を掛けてきた。