ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

「私もです」

 病棟の外で会う進藤先生は、まるで甘い麻薬みたい。

 優しい笑顔や言葉で、私の神経をとろかせる。それだけじゃなく、悪いところも気づかせてくれる。

「そうだ。ひとつ、言い忘れた」

「はい?」

 ドアを開けかけていた私は、進藤先生の方を振り向いた。

 すると、大きな影が覆いかぶさってくる。

 影だと思ったのは、身を乗り出した進藤先生だった。

 あっと思う間もなく、進藤先生は私の体を抱き寄せ、唇を合わせてきた。

──うわ。人の唇って、こんなに柔らかいの?

 どんな感情より、驚きが先にやってきた。

 生クリームでもない。スポンジでもない。お餅とも違う。

 私、進藤先生にキスされてる。

 味わったことのない感覚に、酔ってしまう。胸がこれ以上できないくらい、早く脈打った。

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