【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
「せっかくうまくいっていたのに、宮ノ入のせいで、計画が台無しだよ。君を愛人するつもりだったんだけどな」
「愛人……」
「おばさんに恨まれてるね。美桜ちゃんの母親からやられたように、自分と同じ愛人の立場にさせるつもりだったんだよ。だから、僕が君を引き受けてあげましょうと申し出てあげたってわけだ」
 
 私の将来を継母は、すでに決めていたのだ。
 もし、私が瑞生さんと出会わずにいたら、私は一臣さんに売り渡されていたはずだ。
 そして、一臣さんは私の意思などどうでもよく、ただ物のように手に入れたいだけ。
 その顔をよく知っている。
 継母と同じ顔だ。

「沖重が買収されてしまったから、俺が君を手に入れられるチャンスは限られている」

 私の腕を掴み、連れて行こうとする。
 強く掴まれた腕が痛く、私の力では振りほどけない。

 ――みんなに協力してもらって、ようやく瑞生さんに、住所を渡してもらったのに、このままじゃ連れていかれる!

 宮ノ入本社に出入りできなくなったら、それこそ希望のかけらもなくなってしまう。

「瑞生さん……!」
 
 名前を呼び、抵抗する私が面倒になったのか、一臣さんが手を振り上げ、私を殴ろうとした。
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