【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
「美桜の母親は、小さい頃から病弱で、この別荘を特に気に入っていたらしい。美桜を産んだ後は、亡くなるまでここにいた。とても幸せそうにしていたそうだ」
「幸せそうに……」

 私は母を不幸にしてしまったと思っていた。
 ずっと―― 
 とても静かだった。
 遠くで鳴く鳥の声が聞こえるほどに。

「それから、リフォーム業者がこれを見つけた」

 瑞生さんは木の箱に入っていた写真をとりだした。
 女性と赤ちゃんが写っている。
 写真の裏面には『美桜三ヶ月』と書いてあった。
 他にも私の幼い頃の写真が残っている。

「写真は全部、捨てられてなくなったと思っていました」
「屋根裏部屋に気づいていなかったらしいな。そこに美桜が使っていたベビーベッドやおもちゃと服も大事にとってあったぞ」
 
 また涙がこぼれた。
 私が愛されていた証拠。
 お前のせいで母が死んだと聞かされていた私にとって、どれだけ心の救いになったかわからない。

「瑞生さん。ありがとうございます。今、見つかって、本当によかった……」
「今?」
「昨日、病院へ行ったら、妊娠していることがわかったんです」
 
 そっとお腹を手で包み込む。
< 204 / 216 >

この作品をシェア

pagetop