【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
私に尋ねるその顔は、真面目なものだった。
「眼鏡があると安心するんです。眼鏡を通して見る世界は、私に関係ない夢の世界だと思って生きてきました」
継母の嫉妬心と憎悪から、作られた孤独な世界。
私が幸せになることは許されなかった。
そんな私が平穏に暮らすためには、彼らと私を隔てる壁が必要だった。
「なるほどな」
社長の指が、私の眼鏡を外した。
「ちゃんと返す」
彼の顔がしっかり見えた。
至近距離で目を合わせたら、眼鏡を奪われても拒めなかった。
そのまま、私たちは二度目のキスをする。
最初のキスとは違う。傷を埋める優しく穏やかなキス。
「これは現実だ」
私の顔に指が触れ、新しい眼鏡をかけてくれた。
ひび割れてない眼鏡から見える世界は、同じ風景のはずなのに綺麗に見えた。
「こっちを使えよ」
触れた部分が温かく、泣いてしまいそうになる。
――危ないのはあなたです。
そう言いたかったけれど、涙を堪えるのに必死で、なにも言えずに、小さい声でお礼を言えただけだった。
「眼鏡があると安心するんです。眼鏡を通して見る世界は、私に関係ない夢の世界だと思って生きてきました」
継母の嫉妬心と憎悪から、作られた孤独な世界。
私が幸せになることは許されなかった。
そんな私が平穏に暮らすためには、彼らと私を隔てる壁が必要だった。
「なるほどな」
社長の指が、私の眼鏡を外した。
「ちゃんと返す」
彼の顔がしっかり見えた。
至近距離で目を合わせたら、眼鏡を奪われても拒めなかった。
そのまま、私たちは二度目のキスをする。
最初のキスとは違う。傷を埋める優しく穏やかなキス。
「これは現実だ」
私の顔に指が触れ、新しい眼鏡をかけてくれた。
ひび割れてない眼鏡から見える世界は、同じ風景のはずなのに綺麗に見えた。
「こっちを使えよ」
触れた部分が温かく、泣いてしまいそうになる。
――危ないのはあなたです。
そう言いたかったけれど、涙を堪えるのに必死で、なにも言えずに、小さい声でお礼を言えただけだった。