怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
――結婚したからには優月とちゃんと本物の夫婦になりたいんだ。
悠正さんのこの言葉もどう受け止めていいのかわからなくなってしまった。
信じていいのだろうか……。
「優月?」
不意に名前を呼ばれてハッと顔を上げる。
下に降りるエレベーターの到着を待ちながら、悠正さんが私のことを見つめて微笑んでいた。
もやもやとしたものが胸の中に広がっているけれど、今はそれを隠して私もまた彼に向かって笑顔を返した。