怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~

 告白に対してとっさに断わりの言葉を告げてしまった私に、彼はそれでもまだ好きだと言ってくれた。その気持ちを信じたいのに、昼間のカフェでの光景を思い出してしまう。

 悠正さんの心がどこにあるのかわからない。

 私を好きだと言いながら、どうしてむかしの恋人と会ったりしていたのだろう。

 気が付くと扉の向こうから悠正さんの気配が消えている気がした。そっと扉を開けると、そこにはやっぱりもう彼の姿はない。

 私は再び扉を閉めると、その場に膝を抱えてうずくまった。


< 185 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop