８月２５日（後編）

そう言った水樹くんの頬は少し赤い気がした。

「ほんとは気づいてるんでしょ？俺の気持ち」

「え？」

「別れた時にも言ったと思うけど、俺ずっと紗良ちゃんが好きだよ」


いきなりすぎて、それも直球すぎて、落ち着きかけていた心臓が再び動きだす。


でも…

じゃ、どうして友達にはなれないの？

好きだと言ってくれるなら友達に…


「でも友達にはなってくれないんだよね？」

「でも、じゃないよ。だから、だよ」

「だから？」


もうどういう意味なの？…

水樹くんがほんとにわからない。

「紗良ちゃんとは友達で終わらせる気がないってこと。それに、友達になっても友達以上、恋人未満みたいな関係になると思うし…俺、そういう中途半端な付き合い方はしたくない」


そういう意味で断ったんだ…？

もしかして平野くんが言ってたこともこれ？