8月25日(後編)
そう言った日向くんの顔は寂しそうだった。

もうここ数年、喧嘩しっぱなしだもんね。

わたしも2人には仲直りしてもらいたいと、ずっと思っていた。


だけど朝陽があんな感じだし…

それはまだ難しいのかな?って。

「紗良にこんなこと頼むのもおかしな話しだけど、朝陽のこと頼んだよ」

「え…」

「朝陽のこと一番わかってるのはきっと紗良だと思うから。見守ってやってて?」


と優しく笑う日向くんはすごく弟思いだ。


だから思ってしまう。

わたしにもこんな兄弟思いのお兄ちゃんが欲しかったな〜って。


「付き合ってくれたお礼に何か買ってあげるよ。好きなの選びな?」

コンビニに着くとそんなことを言われた。


そんな日向くんの手にはお酒が見え、大人になったことを思い知らされた。
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