8月25日(後編)
次の日、平野くんに朝一で報告すると「たまたまつけてただけだよ」と言っていた。


だけど、その顔はどこか嬉しそうで…

そんな平野くんにこっちも嬉しくなったり。


余計なお世話かもしれないけど、やっぱりこの2人もうまくいくと思う。

それはもう少し時間がかかるかもしれないけど、平野くんの気持ちと奈々ちゃんの気持ちが繋がる時は必ずくる…

となぜかそう思えた。


それに奈々ちゃんと、あの年下男子はどうも合いそうにない。

奈々ちゃんがそのことに気づくのも時間の問題だろう。


だから、どうにかして平野くんの片想いをやめない方向に持っていかないと!


と勝手に必死になっている自分がいた。

きっと、あの時ああ言っただけで片想いをやめる気なんて、平野くんはなかったはず。


その証拠に少しずつ奈々ちゃんの名前を出すようになった。

まぁ、相変わらず向こうから連絡はこないみたいだけど。


それでも、平野くんはどこか幸せそうだった。
< 288 / 499 >

この作品をシェア

pagetop