あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『んじゃあ、帰ろっか。』


雪村さんは猫みたいに気まぐれで

行動1つ1つの予想が全くつかない。


「わ、わっ…、」


スタスタ帰ろうと歩き出してしまう雪村さんを

慌てて駆け足で追いかけると

私の隣に並んだ忍さんが、唯ちゃんって犬っぽいよね、と笑った。


『………香月、今日も帰りコンビニ寄るから。』

「あ、はいっ、」

『食いたいもん考えとけよ、ゼリー以外で。』


私より3歩くらい先を歩いていた雪村さんは

くるっと振り返ってそう言った。

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