10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

「んっ……」

 軽いキス。でも、何度も角度を変えてキスを交わしていると、そのうち、胸のあたりがギュウと締め付けられる。

「先生、もっと」

 次は、舌を差し入れられて、そのままお互いに舌を絡め合う。いつのまにかあふれた唾液も、先生は舐めとった。

 その先生の様子がやけに妖艶で……ぼんやりしている頭で見ていると、やけに身体も頭も熱くなる。

「ん」
「果歩。少しだけ、触れるよ?」
「へ?」

 そのまま直接、熱い手が背中に入る。驚いて身体を固くし身をよじろうとすると、また深いキスをされて、身体から一気に力が抜けた。

「ぁ……!」

 自分から出るはずもないほどの高い声が、キスの合間に飛び出す。
 それに驚いて、泣きそうになると先生は熱っぽい目で私を捉えた。
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