10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
そう言われて、私はその時のことを思い出す。
かけられないことのわかった暗示をかけようとして島原先生を見たわけじゃないけど、島原先生が変な様子だったから思わずじっと見た……ような気がする。
それが思い当たって、ひやりとする。
(でも、大和先生と『あんな風に見つめない』って約束したんだった!)
私は大和先生から目を反らせると、
「え、と……いや……あの」
と回答を考える。
(大和先生何か怒ってるし、見た、なんて言えない!)
そんな私を見てさらに不機嫌そうに眉を寄せた大和先生は、
「果歩はウソが下手だな」
と呟いたと思うと、そのまま強引に私に口づけた。
「んっ……!」
突然、ぬるりと舌を差し入れられて、私の身体は固まる。
今までこんな風に強引なキスをされたことはなくて、私は余計に混乱した。