10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
「や、あ、大和先生……?」
「名前は?」
「大和さんっ、ん、だめ……」
「だめじゃないでしょ。ここ、気持ちいい?」
耳元でささやかれる低い声と与えられる刺激に、私は目の前がチカチカしながら、何度も、ぶんぶんと顔を縦に振る。
「顔、真っ赤だな。かわいい」
「んっ……。や、大和さん、キスしてて」
「果歩はキスが好きだな」
「っ、す、すみません」
「謝らないで。嬉しいだけだから」
次の瞬間、また唇が重なる。
自分からねだったくせに、余計に身体が熱くなって小さく後悔する。その後悔を塗り替えるように、また快感の波が押し寄せた。
「大和さんっ」
「もう少し、かな」
「あの、もう。私っ、痛くても大丈夫だからっ、あの…んんっ、もう、最後まで……」
泣きながら言っても、先生は「だめ」とはっきり言う。
「ふぁ、な、なんでぇっ」
「果歩がもっと俺を欲しがって」
「もう十分……」
「まだだよ」
きっぱりと先生は言うと、そのまままたグルグルと私を快感の波の中に連れて行く。
ここは、気持ちよくて、少し怖くて、貪欲に先生が欲しくなる場所だと思っていた。