10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

 そして、気付いたら微笑んでいた。
 今まで、果歩の前でもみんなの前でも、微笑んだことなんてなかったのに。

 驚いて固まる果歩を前に、

「果歩が、俺と結婚して」

 俺はそうはっきりと告げていた。


 もう逃がさないし、逃がす気もない。
 ここまで来たら、果歩が俺を好きになってくれるようになりふり構わず全力をだすから……。

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