10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

 さて、これからどうしよう。そんなことを考えた時、

―――うちの果歩落としたいなら、それ相応のダイヤを用意してもらわないと……。

 そんな歩さんの言葉を思い出して、俺は宝石店にタクシーを走らせていた。

 果歩にとっては偽りのはじまりであったとしても、俺がもってるありったけの愛情を果歩に注ぐ結婚生活に想いを馳せながら……。
< 322 / 333 >

この作品をシェア

pagetop