10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
39章:10秒先の狂恋

 なんだか、懐かしい夢を見ていた。本当のお父さんがすごく慌てた顔してたのだけは印象に残ってた。
 でも他は全然覚えてなくて、なんだったんだろう、と思いながらそっと目を開ける。

 すると、スーツ姿の大和先生が目の前にいて、慌てて飛び起きた。
 外を見ると、空は、明らかに明け方の空だ。

「果歩?」
「ふぁっ! あ、明け方! え? ど、どういうこと……!」

 私が慌ててると、大和先生は、愛おしそうに目を細めて私を見た。

 昨日の朝、手加減しないと言いながら、優しく、そして相変わらず何回も抱かれて、確か5回目、いや6回目あたりの昼から記憶がない……。
 そう思っていると、大和先生はわたしの髪をするりと優しく撫でる。

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