10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

(先生に私を好きになってほしかったのに、私ばっかり先生のこと好きになってる……)

 そう思って思わず泣きそうになると、先生を見上げる。

「大丈夫?」
「はい……。でも、これ、胸とお腹のとこ、きゅう、ってなる」
「うん」

 先生は嬉しそうに目を細める。
 私は先生の目をまっすぐ見つめると言った。

「先生……私にもっと教えて」
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