花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
見当違いも甚だしいと怒りを募らせるが、威圧的なロレッタとカルバード学長の前では何も言えない。
「華樹祭で商売と称してモースリーにやって来たオレリアから企みを聞かされ、逆らえないあなたは不本意だろうと加担する他ない。レオン王子の件もたぶらかすように言われてきたのでしょう? エスメラルダがいながら、まんまとオレリアの策略にはまってしまったレオン王子にはがっかりだけれど」
ロレッタが「レオン以外の王子はみんな素直で従順だというのに、まったく」と不機嫌にぼやくと、ここまで黙ってロレッタの話を聞いていた学長が嬉々として話しを継いだ。
「さて。窃盗に関してお妃様は相当ご立腹だ。その上、大聖樹による選出などを模倣し国王陛下の信頼を損ねてもいる。我がエトリックスクールの看板に泥を塗り、他の優秀な者の足を引っ張る生徒をこのままにしては置けない。エミリー・メイルランドを退学処分とする」
「……まっ、待って下さい」
それは困る。薬師の資格を取得できないなら、自分の店を持つ夢は叶わない。
オレリアには大いに失望されるだろう。バリバリ働いてもらう予定だったのにと小言を言いながらも、店番をさせてくれたら良い方かもしれない。