花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
そこでエミリーは改まったように背筋を伸ばした。
「聞いてオレリア。今さっき少しだけ体が戻ったの。それで、レオン様にバレてしまったわ」
「なるほどね。元の姿を見られたってならもう隠せないね」
エミリーの髪を拭いていた手を止めて、レオンはじろりとオレリアを見る。
「手紙でこっそりと、状況を教えてくれれば良かったのに」
「教えたらあんたはロレッタを殺しに行くだろ。下手すりゃ、エミリーが生きていることがあっちにバレて面倒なことになる。悪いが、あんたへの報告よりエミリーの回復を優先するよ」
髪を拭く手は止まったまま。
頭の上から苛立ったため息が落ちてきて、エミリーは視線をあげる。
レオンの怒りに満ちた表情を目にし、不安が込み上げてくる。
「やっぱりロレッタか」
「レオン様、落ち着いて。無茶なことは絶対にしないで、お願いだから」
エミリーがレオンの手を両手で掴んで訴えかけると、レオンの顔からすっと怒りが消え、小さな体をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫、考えなしに暴走しないと誓うよ。だから何があったのか、俺にも教えてくれないか」