花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

聞こえた方へ顔を向けると、浄化の魔石がついた魔導具の首輪をつけた茶色の土兎が元気よく駆けていく姿を発見する。

すっかりオレリアの屋敷に馴染み野に帰る様子もない土兎に、そろそろ名前をつけてしまっても良いんじゃないかと考える。

土兎は急停止すると、その場で土を掘り始めた。

するとそこへもう一匹、白い毛皮の土兎がやって来て、一緒になって土を掘り起こし始める。

白い土兎は、数日前から一緒に遊んでいるのを見かけるようになった。

茶色の土兎に続いて、警戒しつつも屋敷の中にも入ってくるようになり、今朝は並んで餌を食べていた。

エミリーは「お友達がいて良いわね」とリタのことを思い出しながら、ゆっくりと歩き出した。

門の外を警戒しつつ素早くオレリア商会の店の中へと移動すると、受け付けで客の対応をしていたアルフォンがエミリーに気付いて笑いかけてくる。

それに手を振り返しながら、店の奥へと進み薬草庫へ。

床にカゴを置いて薬草を取り集めようとした時、突然後ろから乱暴に首根っこを掴まれる。


「退け!」


荒々しく後ろへと引っ張られて尻餅をつく。

打ちつけたお尻の痛みに涙目になりつつ、エミリーはダリウスを睨みつけた。

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