花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
ゴホゴホと咳き込みつつ自分へと驚きの眼差しを向けたアルフォンを心配そうに見つめ返してから、エミリーは刺客の男へとにこりと笑いかけて白を切る。
「おじさん違うわ。私の名前はエミリー・リングハットよ」
誤魔化せないかしらと考えたが、やはり上手くはいかない。
刺客の男は笑い飛ばした後、怒りをぶつけるようにエミリーを睨みつけた。
「店の男から聞いたぞ。お前は三ヶ月前に急に現れたそうじゃないか。奇遇だな俺も三ヶ月前にお前によく似た女を殺した。いや、殺し損ねた」
そこで刺客の男は振り返り、窓際まで追い詰められているオレリアに対し、優越感に満ちた顔をする。
「おい、ばあさん、人の記憶をいじりやがって、なんてことしてくれたんだ。おかげでロレッタ様からの信頼を失うところだったじゃないか。お前は絶対に許さない。八つ裂きにしてやる」
オレリアへの恨みを吐き出し終えると、男の視線はエミリーに戻ってくる。
エミリーは立ち向かうための勇気を奮い立たせるように力一杯拳を握りしめた。
「しかし、今はお前が先だ」
「また私を殺しにきたの?」
「ここでは殺さないが、しかしお前はあと数日の命だ。ロレッタ様が直々に手を下されるのだから、光栄に思うといい」
「そんなこと許されると思っているのか!」