花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

アルフォンが立ち上がり、近くの仲間の男へと体当たりして持っていた剣を奪い取る。

そのまま、エミリーを守るべく向かって行き、刺客の男も剣を抜き応戦する。

何度か鍔迫り合いをしたのちアルフォンは床へと倒され、首元に刃先を押し付けられてしまい、エミリーは小さく悲鳴をあげた。

アデルもオレリアも首に剣を突きつけられた状態で動けず、求めに応じてそれぞれ武器を手放す。

刺客の男が噛み付いてきた土兎を横へと蹴り飛ばすのを見て、エミリーは怒りで唇を震わせた。


「歯向かうようなら殺していいと命じられている。エミリー・メイルランド本人も、それを庇う愚かな者たちも。その場合は、お前だけでなく婆さんの首も土産に持ち帰らせてもらおう。ロレッタ様がお喜びになられる」


アルフォンに向かって刺客の男が刀を振り上げた瞬間、エミリーは大きく叫んだ。


「やめなさい!」


迫力を伴って発せられた言葉に、刺客の男は動きを止める。


「行くわ。ちょうど私もロレッタに話があるから。だから今すぐ剣をおさめなさい」


仲間の男たちもエミリーの凛とした態度にすっかり気圧されてしまっている。

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