花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「その服も、今まではまったく思わなかったが、エミリーが着ると可愛らしいな」
「本当? 私はまだ着慣れなくて、しっくりこないわ」
身にまとっている聖職服を改めて見下ろしたエミリーの手を取って、レオンは歩きだす。
「これからオレリア商会の手伝いだろう? 俺も一緒に行くよ」
「でもレオン様、今日はこのあと騎士団の演習に参加される予定では」
「そんなのフィデルひとりでなんとかなるだろ。それより俺はエミリーと一緒にいたい」
城の中へ足を踏み入れようとしたエミリーの手をレオンはそっと手を引いて、自分に振り向かせる。
逃がさないかのようにもう片方の手をエミリーの腰に素早く回し、腕の中に閉じ込めるかのようにぎゅっと抱きしめた。
「エミリー」と耳元で甘く囁かれ、エミリーは頬を赤らめて抗議する。
「誰かに見られますよ」
「見られたい。エミリーは俺のものだって見せつけられる」
「侍従長に見つかったらまた叱られます」
「触れたいのを我慢するのは俺には無理だ。お叱りくらい甘んじて受けるさ」