【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


 山田さんは今夜が山場、といってもおかしくない……。

「出来る限りのことはしましたが……後はご本人の体力、次第でしょうか」

「……先生」

「……では、失礼します」

 俺は病室を出ると、そのまま医局に戻った。

「高枝先生、山田さんは……」

「……今夜が峠になるかもしれない」

 戻ってきた俺に、同僚が問いかけてくる。

「……そうですか」

「今夜は……眠れそうにないな」

 何もないことを祈るしかないが……。




  

「山田さん、山田さんしっかりしてください!山田さん……!」

 その日の夜中、山田さんの容態がまた急変したのだった。

「先生、脈触れません……!」

「血圧下がってます……!」
 
 山田さんの容態は著しく悪かった。

「山田さん、頑張って! ご家族が待ってますよ……!」

「先生、心停止しました……!」

「まずい……蘇生するぞ!」

 モニターには心拍数が0と映し出されている。急いで蘇生を試みる。

「除細動するぞ!離れろ!」

 2回除細動で蘇生を試みたが……。

「……23時10分。死亡、確認」

 山田さんは静かに息を引き取った……。
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