幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 実は……今日はちょっとだけ期待してた。
 イレギュラーな土曜日出勤。
 夕方から事務所にはわたしたちふたりだけ。
 もしかして、もしかしたら……
 帰りに食事のお誘いがあったりして、なんて。

 でも、やっぱりただの夢でした。
 
 というわけで、わたしは目下、絶賛片思い中。
 もちろん、ホテルなら五つ星、レストランならミシュラン三つ星確定と言うほどレベルの高い彼のことだ。

 わたしだけでなく、事務所の先輩方(なかには既婚者もちらほら)や、同業の弁護士さんたちも明らかに彼を狙っている。

 それに、噂によれば、政治家のお嬢さんや大企業の社長令嬢たちとのお見合いの申し込みもひっきりなしらしい。
 
 どう考えても、一介のアシスタントでしかないわたしが、彼に選ばれるはずがない。
 そんなことは百も承知。

 でも、思うだけならいいよね。
 高柳先生の顔を見るだけで、仕事に張りがでるのだから。
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