幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
「初稿ですから、今後、いろいろと変更はあると思いますが……スタッフ、キャストの顔合わせまでに読み込んでおいてくださいよ」
「へい、ヘい」
 璃音は気の抜けた返事を返した。

 毎度のことなのか、鈴木さんは気に留めた様子はない。
「コーヒーごちそうさま。美味しかったですよ」
 そう言って、帰っていった。


「どうする? 今晩の夕食、一緒に作るのやめとく?」
 わたしは璃音に訊いた。

 だいぶ前に、ご飯作りを教える約束をしていたけれど、璃音のオフ日とわたしの休日が重ならず、今日まで伸び伸びになっていた。

 わたしの言葉に、璃音は「やるやる」と言って、台本を投げ出しキッチンにやってきた。
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