幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
第6章 自分が一番不可解⁈
 月曜日の夜から、璃音は海外ロケに出掛けた。
 セブ島で来年のカレンダーの撮影をするらしい。

 璃音からその話を聞いたときは、ちょっとだけほっとした。

 同居をはじめてひと月あまり。
 璃音との生活は予想以上に楽しいんだけど。

 でも正直、ひとりの気楽な生活も恋しくなってきたころだった。

 ふたりだと、なにかと不自由なことがある。

 例えば食事。
 璃音が家にいる日は、気軽に外食で済ますというわけにもいかないし。

 それに……
 ここ何日かの、璃音の態度にかなり戸惑っていたこともある。
 不覚にもドキマギさせられることばかりで。

 もちろん、璃音がドラマの相手役を念頭に置いてることはわかっている。

 でも……
 この狭い家で。

 壁ドンされたり、いきなり上半身裸で目の前に出てこられたり……

 しかもわたしの知ってる、幼なじみのほうの璃音ではなく、完全にアイドルの顔で迫ってこられると……

 こっちとしては、ドキドキし通しで心臓がもたない。
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