U&I
今日は髪を両サイドを三つ編みして後ろでリボンで結んだ。
肩に乗る黒い髪。
うん、可愛く仕上がってる。
幼い童顔は悲しいほどいつも通り。
次に制服のリボンよし。
次は上半身を捻りながら、ブレザーにゴミがついていないかチェック。


「髪型よし、制服よし、準備完了」


私は映る鏡に映る自分の姿を見ながらニコッと頷いたが、その笑顔はすぐに苛立ちに変わる。

部屋の向こうから、いつも通り音が漏れてくるが、今日も一向に止まる気配は無いから。

ガラガラガラ。

私は二階の自分の部屋の窓を開ける。

次に五十センチ先の網戸を定規を使って開ける。

今開けたのは私の家の網戸では無い。
お隣の家。

気温が上昇し始めたゴールデンウィーク明けの先週から窓が開けられていることに気付いたのだ。
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